ZX-6Rと楽しむ人生色々

愛車のZX-6Rとの戯れをはじめとした人生の楽しみや日々心の琴線に触れたことを綴っています。

普通自動二輪免許教習(AT)を受けた所感を書く

昨日の記事で教習所での普通自動二輪免許と大型自動二輪免許を比べた際の簡単な難易度の差を説明しましたが、このブログでそもそもの普通二輪免許についてあんまり触れていないことに気が付きました。
バイクへ乗るためにまずは普通自動二輪免許取得を目指される方が多いと思いますので、今回は普通自動二輪の免許を取得する際の諸経費、時間、実際にバイクに乗っての教習での各種項目の所感を記載したいと思います。


ちなみに私の免許経歴としては
 普通自動二輪MT中退→普通自動二輪AT→MT限定解除(→大型自動二輪
となっているので、まずは私の二輪免許の起点となったAT免許について記載したいと思います。
おそらく普通自動二輪AT限定を取る人はそこまでいないのかと思いますが、それゆえ情報が少ないので必要に迫られてAT免許を取る必要がある方に参照いただければ幸いです。
なお各情報は私が通った自動車学校でのものに基づいています。

大型自動二輪の教習についてはこちら 

tremolopicking.hatenablog.com

 

  

教習費用

自動車学校へ入校するため費用ですが、普通自動車免許の取得していると11万円程度となります。これが普通自動車免許をもっていない場合だと5万円程度の上乗せがありますので注意。

教習時間

普通自動車免許を持っていれば「13時間(実技)、1時間(学科)」となります。この学科1時間というのは「二輪特有の交通法規や安全運転マナーに関する講義」となるため、普通自動車免許を持っていても受講必須となります。
これが普通自動車免許を持っていないと、「15時間(実技)、26時間(学科)」となります。普通自動二輪が初免許になる場合は学科をここで履修するので学科の時間が大幅増となります。また実技も2時間ほど上乗せがあります(具体的にどんな項目が増になっているのかはちょっとわからないのですが、法律上最低教習時間が2時間増えているようです)。

使用車種

教習で使用するバイクの紹介です。

車種、外観、車重

乗車するバイクは「シルバーウイング400」となります(もしかしたらATは教習所によって変わってくる可能性もあるかも?)。教習車仕様になっていてバンパー等が付帯します。

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出典:https://www.tandem-style.com/beginner/do-you-know-training-bike/


シルバーウイング400はバンパー込みでの正確な車重がわからなかったのですが、シルバーウイング400単体だけでも250kg程度(!)ととんでもない車重になるため、バンパー込みでは260kgを超えてくるものと思います。


バイクの取り回し、基本操作

いよいよ実際のバイクの使用感です。まずバイクの取り回しですが、私が免許取得後に購入したスカイウェイブにも言えますが、全般的にビッグスクーターは取り回しが非常にやりづらいです。MT車は腰をシートに当てて車体を安定させられるのですが、シルバーウイング400はシートの位置が低いので腰に当てることができません。当てられても太ももくらいですがこれをやると歩けないので、基本的には腕だけでバイクを支えることとなり、バイクがとっても不安定な状態になります。

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加えて車重がすさまじいこともあり、前に進もうと思うときはフルパワーで押さないとバイクが動きません!そして腰で支えられないため自分側にも自分の反対側にもバイクは倒れます。控えめに言って超怖いですw大体教習の1時間目は取り回しなのですが、ATの方は緊張と体力的な消費で汗だくになると思います。ちなみに私はここでバイクを2,3回転がしました…。


バイクの引き起こし

次に倒してしまった時の引き起こしです。これも教習の1時間目に絶対やると思います(教習所によっては入校の事前確認作業としてやるところもあるのかしら?)。
私の所感ですが、意外にもシルバーウイング400の引き起こしはそんなに苦労しないです。
シルバーウイング400というと重心が下の方にあることと、バンパーのおかげで地面と車体に空間がCB400に比べて多くあること、さらにバンパーがいい感じの位置にあって力をかけやすい位置にあることで、車重が260kgあるとは思えないほど引き起こししやすいです。
コツとしては腕で車体を起こそうとするのではなく、クラウチングスタートのような体制でバイクのハンドルと車体(教習車ではバンパーでも可)を持ち、そのまま地面と車体の間に体を突っ込ませていく感じです。そうすれば車体が起き上がってくるはずです。

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発進

おそらくこれも教習の1時間目にやると思いますが、まずはバイクの発進の仕方を学びます。AT車の発進は簡単です。何も考える必要はありません。
 ①ブレーキで車体を固定する
 ②アクセルを開く
 ③ブレーキを離す
これだけです。普通にアクセルを開けば勝手にバイクが進みだすので、MT中退後の私はAT車の発進の簡単さに感動した覚えがあります。

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低速走行

教習においては低速での走行を求められる箇所がいくつか存在します。バイクは基本的に低速走行は苦手ですが、AT車はアクセル、ブレーキしかなく、MT車の基本技能であるニーグリップができないこともあり低速走行は難しいです。この特性により課題走行で苦労させられる箇所が出てきます。

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教習における走行

さてここからは各課題走行について所感を記載しようと思います。なお中型には波状路はないので説明は省略します。 

坂道発進

これは平地での発進作業の応用編でバイクを上り坂で一回止めて、そこからバイクを決してバックさせずかつエンストせずに発進できるかを見る課題です。
ATではそもそもエンストなどという現象は発生しないので深く考える必要はありません。ブレーキ中に平地での発進時よりも多めにアクセルを回してやるだけで勝手に発進します。
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クランク

これは幅が狭い道の直角カーブを一回も足を着かずかつエンストさせずに行えるかを見る課題です。左折と右折両方とも行います。なお道の両端に嫌がらせのようにパイロンが等間隔で設置されていて、卒研時にこのパイロンに接触すると一発終了で不合格になります。
AT車ではクランクは難関課題です。バランスが取りづらく低速走行が苦手な上に、バイクの形状的に前輪が見えないので走行軌道がライダーからわかりづらく、車体が長いので少し外側から曲がるレベルではパイロンにバンパーをひっかけることになります。
AT車でのコツはリアブレーキをかけ続けたままアクセルをひねって10km/h程度を維持し、カーブは道の中心の外側のパイロンにバンパーが当たらないギリギリまで寄せ、路線バスのように頭を前方に突っ込み気味にしてハンドルを使って曲がるのが良いと思います。速度調節はリアブレーキで行います(遅すぎる場合はブレーキを離し、早すぎる場合はブレーキを握る)。カーブの外側のバンパーには案外当たらないので結構寄せてしまっても問題ないです。

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S字

S字状の道を両端に設置されたパイロンに触れずかつ足を突かずに突破する課題です。これは難しいところはありません。道の真ん中を普通に進めばOKです。速度制限はないので自分の走りやすい速度で進みましょう。

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一本橋

バイク教習課題での代名詞ともいえる一本橋です。この課題は一本橋前に一時停止してしたのち、「長さが15メートル、幅が30センチメートル、 高さが5センチメートル」の一本道をコースアウトせず、かつ規定時間(中型は7秒)以上かけて走りきる課題です。平均台ともいわれるかも。
AT車ではまず普通に前進して橋に乗ります。橋に乗った後はリアブレーキをかけながらアクセルは一定開度を維持します。速度調節はリアブレーキで行います。バランスはハンドル操作で保ちます。
一本橋は前半戦で時間を稼いで後半は欲を出さずにミスしないように走りきることを重視するのが良いと思います。また前半後半ともに落ちるくらいならさっさと渡りきってしまった方が良いです。中型は規定時間が7秒で1秒足りないごとに5点減点なので、極論を言えば1秒で渡りきったとしても他の検定項目で減点が1点もなければ合格できます(卒研は100点満点からの減点法で採点します。70点以上で合格です)。

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急制動

急制動始点に40km/h以上で進入して規定された距離(乾燥時:11m、湿潤時:14m)の間で停止できるかを確認する課題です。
AT車ではこの課題は楽勝です。まずMT車で前提条件となる「3速まで上げる」という作業を行わなくて良いので速度調整に専念できます。大体始点に至る前に40km/h以上出ると思うので、始点ではノーブレーキ、ノーアクセル状態で40km/h以上の状態で突入できるのが理想です。
始点に40km/hで突入したらブレーキをかけますが、AT車では前後のブレーキを5:5もしくは6:4くらいでかけて大丈夫です。MT車では7:3といわれるのですが、AT車は後輪側にもしっかり荷重がかかっていてMT車よりも後輪がロックしづらいのでしっかりかけてOKです。
ブレークかけすぎてタイヤがロックすると卒検では一発アウトになる(とくに前輪ロックはバランスがきわめて崩れるので危険)ので停止までの規定距離を一杯まで使って止まることを心がけるとよいでしょう。

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スラローム

スラロームは規定時間内に一定間隔に設置された障害物をよけながら走行し、障害物にふれないように安全運転できるか、 バイクをを傾けたときにふらつかないか、バランスが十分にとれるか、 速度調整をスムーズにできるかを見る課題です。
AT車は車重故に曲がりにくい特性があるので、曲がるときは多少大げさなくらいにライダーの腰を使って曲がってやるとよいと思います。ルートとしてはルートのセンターラインよりも若干イン側を進むと次のパイロンまでの距離を稼げてよいのかなと思います。
最初のパイロンを曲がった後は一瞬だけアクセルをふかして車体を起こしてやると次のパイロンを避ける契機になります。イメージとしては曲がるたびに「ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!」とエンジン音がする形です。
なお規定時間は中型は8秒ですがこれは結構余裕があります。和和紙の感覚としては中型のスラロームは何も考えずに突破できる楽勝課題の一つでした(大型では一気に苦手課題になりましたが)。

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法規走行

法規走行はおそらく2段階目で本格的に学習することになると思います。進路変更、カーブ時の安全確認等々です。走行時の自分を含めたすべての運転手の安全を確保するための大切な行いですので、必ず順守して走行を行ってください。


まとめ

以上が普通自動二輪ATでの教習全般における所感です。最近はAT限定でも乗れるバイクが増えてきているので、もしかしたらAT限定を狙って取得される方もいるかもと思って記載しました。AT車特有の難しさもありますが、決して高難易度という訳ではありません。上記内容をご参考いただいて一人でも多くの方にバイクの楽しさを知ってもらえることを切に祈っております。

 

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